m-lab:東京藝術大学 大学院 美術研究科 壁画第一中村政人研究室
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チェーホフ「三人姉妹」
こんにちは。遠藤です。

今度7月24日に利賀演劇人コンクールに役者として参加することになりました。
利賀演劇人コンクール2012


なので、それにむけての活動報告と告知をここのブログで出来れば良いなと思い投稿させてもらいます。
具体的な日時詳細は後ほどブログに掲載するとして、今日はまず戯曲について書きたいと思います。

作品はアントン・チェーホフの「三人姉妹」という戯曲を、今回このコンクールに応募し演出をする豊永純子が独自に解釈したものです。
三人の姉妹が、暗鬱とした日常から逃れいつかは希望の地モスクワへ‥と願いつつも、刻々と年月は過ぎて行き三人の若さも衰えて行くという出口のないお話です。

わたしは三人姉妹の末っ子イリーナの役を演じます。
先日稽古初日で始めて全員で四幕を通して読んでみました。

次回の稽古で作品としてまとめた台本を受け取る予定なので、どういった解釈の台本になるかまだまだ想像がつきませんが、この戯曲が書かれた時代はどういう時代だったのか気になったので、ここで軽く紹介したいと思います。

チェーホフ(1860-1904)はロシアの劇作家で、この三人姉妹が書かれたのは1900年の晩秋です。
1900年頃と言うと、芸術の分野では「銀の時代」とも呼ばれ、18世紀以降足早に西欧的な道を辿り始めた芸術や文化が爆発的に昂揚していた時代でもあります。画家でいうとカンディンスキーやシャガール、マレーヴィチなどもこの時代の人たちです。

社会的背景としては1721年から続いていたロシア帝国に対する不満が民衆の中にたまっていて、騒乱は日常的に起こっていました。しかし大きな改革はなく、革命寸前という時期でもあります。
またこの本が書かれる少し前に工業化が進み、ロシアの中で初めて労働者階級というものが誕生しました。
作中では働くということに関しての嘱望や、それと反して働くことによって、ロマンティックな夢が日常に浸食されてかさかさになっていくといった表現が出てきます。

このような先が見通せない時代に生まれた三人の姉妹。わたしたちに幸せはないのでしょうか。希望の地へ行くことは出来ないのでしょうか。
どのような演劇に仕上がって行くか楽しみです。


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